文化連とは

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ごあいさつ

厚生連医療・農協福祉を通じて、コロナ後の社会の再建に貢献

依然続く感染症対策の最前線で奮闘いただいている、厚生連および農協福祉の関係者の皆さまに心から敬意を表します。

本会といたしましても、医薬品・医療材料・機器等の共同購入事業を通じた廉価購入・費用削減や、感染防護資材等の安定供給対策、厚生労働省への要請活動、組合員の「安心の地域づくり活動」支援・情報提供強化に尽力してきたところです。

昨年10月に、第29回JA全国大会が開催されました。大会決議の5つの柱が、厚生連医療・農協福祉の今後の取り組み課題につながるものとして積極的に受け止め、「国消国産」の再認識(食料自給率、フードマイレージ)、地方分散の動き(都市集中の限界、農への憧れ)、相互扶助組織としての協同組合の大切さについて、あらためて基本認識として確認する機会になりました。

大会決議では、引き続き声を聴く対話活動が重視されています。組合員の意見、要望、困りごとを聴き、それに寄り添い、応えてゆくことが大切だと考えています。

医療・福祉・健康管理の事業についても、意識的に「声を聴く」活動を強化すべきだと思います。集落座談会、年金友の会、女性部の集まり、訪問・対話活動等のあらゆる場で、「組合員として」の声を厚生連病院とJAがいっしょになって聴き、お互いに共有し、事業・施設運営を改善していくことが大切です。

本会は、厚生連23会員と単位農協65会員等の出資からなる事業連合会として、厚生連医療および農協福祉の経営支援を行っています。中心的な事業は、全国的な共同購買による医薬品、医療資材・器械等の廉価購入と適正使用を進める事業、医療介護の専門職をはじめ会員のみなさんへの情報教育事業です。本会は事業連ではありますが、「ただの物売りになってはいけない」と言っています。文化連が一般の販売会社と違うところは、会員に情報を提供し共有すること、合わせて会員の声を聞き、その要望・意見に対しフィードバックする、こういうやりとりがあることです。

昨年の本会通常総会では、特別決議「私たちは厚生連医療・農協福祉を通じて、コロナ後の社会の再建に貢献します」を採択しました。(1)コロナ禍の組合員・住民の苦しみや困りごとに寄り添う (2)感染予防対策を徹底し安心して利用できる病院・施設・事業所づくり (3)いわれなき偏見・差別を許さず正しい知識や情報を提供 (4)健康や家計の不安、営農困難を抱えた組合員の相談活動や営農継続支援 (5)心の不安を取り除き人々のコミュニケーションと協同を取り戻す (6)声を聴き事業・サービス改善とデジタル化等による利便性向上 (7)健康寿命延伸のための健康管理・予防活動 (8)地域共生社会の構成団体・行政との連携 ―に会員みんなで取り組もうというものです。この決議を実践すべく、JAグループの関係団体と連携し全力を尽くしたいと思います。

日本文化厚生連の「文化」とはくらし・生活、「厚生」とはいのちと健康、社会保障のことです。この「文化厚生」の基盤に日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」があり、本会の理念にも「組合員と地域住民の命とくらしを守り、誰もが健康で文化的な生活を享受できる地域づくりに貢献」としています。

命の砦としての厚生連医療、社会保障持続性に責任を持つ厚生連医療、協同組合として地域づくりを担う厚生連医療、そして農協福祉を、全国の協同の事業を通じて支えてまいります。

変わらぬご指導とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健康とご多幸をご祈念し、ごあいさつといたします。

2022年1月
日本文化厚生農業協同組合連合会
経営管理委員会会長 八木岡 努

新しい年度を迎えて
ウィズ・アフターコロナの経営改革支援「4つの重点」

依然コロナ禍が続く中で、病院や介護施設の現場で、日々治療や感染対策に奮闘されている厚生連・農協関係者のみなさんに心から敬意を表します。新年度を迎えて、本会の今年度の重点的取り組み等について紹介し、ごあいさつとさせていただきます。

「地域からの」病院再編・医療介護のネットワークづくりの加速化を

ウィズコロナ・アフターコロナの厳しい情勢下ではありますが、これらを厚生連医療・農協福祉への追い風とすることができるかどうかの視点で、まず2点見ておきたいと思います。

全国各地の厚生連病院は、公的病院として率先してコロナ患者に対応していることが評価され、存在意義が高まっています。国による万全な減収補償については、引き続き堂々と求めていく運動が欠かせません。注視しなければならないのは、国はむしろコロナを機に、地域医療構想や医師の働き方改革を通じて、病院の機能分化・再編を加速化しようとしていることです。

新興感染症拡大等の有事対策として、病床や医療人材を平時と緊急時で迅速かつ柔軟に切り替えることのできる医療提供体制づくりが進められるでしょう。厚生連病院が地域でイニシアチブを取って、公立・公的病院の機械的な再編統合・病床削減に抗して、「地域からの」病院再編・医療介護のネットワークづくり(地域医療構想・地域包括ケア)に本格的に取り組むことが必須となってきます。

JA全国大会決議の実践がスタート

もうひとつは、第29回JA全国大会決議(2021年10月開催)で、「生活インフラ機能の発揮」として、厚生連医療・農協福祉の重要性と健康づくり活動強化が確認されたことです。コロナ禍での組合員・住民のくらしのニーズや困りごとに対して、医療介護・購買・金融等の事業を通じた総合的な支援(農協総合事業)と地域の支え合い・励まし合いの協同活動がこれまで以上に期待されています。 厚生連医療・農協福祉が、地域包括ケア構築=安心して暮らせる地域づくりのフロントランナーに位置づけられることの所以がここにあります。同時に医療・介護事業の健全経営の確保も待ったなしとされました。

共同購入で購買費用削減にさらなる貢献

今年度は、本会の『第9次中期事業計画』(2020年度~2022年度 スローガン「会員の協同で、安心の地域づくりと経営改革の全国運動を」)の最終年度となります。厚生連会員に対しては、【「ウィズコロナ・アフターコロナの厚生連経営改革支援」4つの重点】を掲げて取り組んでいきます(図)。

第1に、「抜本的な購買費用削減の達成」【共同購入事業】です。4月に公定薬価等の改定がありました。医薬品・医療材料・医療器械の全国規模の協同をさらに進め、会員とともに価格交渉・購入対策に全力を挙げる所存です。利用結集の加速化対策として奨励措置の仕組みを構築します。

新たにDX開発やオンライン研修事業
JA改革の課題認識を共有へ

第2に、「働き方改革に向けたDX・ICT対策の実践」【DX・ICT開発事業】に新たに踏み出します。1.医師・医療職の働き方改革、会員の情報基盤整備にかかる情報提供の強化 2.整形材料等管理の高度化・効率化のためのRFIDの試験導入 3.購買事務の効率化連携システム(共同購入ポータル)の運用拡大―に取り組みます。

※RFID(Radio Frequency Identification):電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術

第3に、「新時代の厚生連職員研修システムの開発・導入」【情報教育事業】です。新しい仕組みとして厚生連職員のための効果的で効率的なオンライン研修事業(システム)の開発・導入を進めます(「厚生連オンラインカレッジ」仮称)。会員の代表による検討委員会で具体化の協議をしていただく予定です。

第4に、「機能分化再編・地域包括ケアと連動した地域づくりの展開」【地域づくり推進事業】です。研究会・研修会や機関誌等を通じて、医療提供体制再編・診療報酬改定等にかかる情報交換、JA大会決議の実践としての地域づくりの交流を強化します。会員単協と厚生連の連携による農協福祉と健康管理事業の発展を支援していきます。

第29回JA全国大会で再度確認された自己改革については、昨年度に本会経営管理委員会でも重ねて協議いただきました。表のように「7つの課題認識―JA改革と厚生連医療・農協福祉」としてまとめられました。今年度は、こうした問題意識をさらに広く会員の皆さんと共有していきたいと考えています。

JA全国大会決議に対する7つの課題認識
「JA改革と厚生連医療・農協福祉の課題」  文化連組織協議(2021年7月)より

  • (1)JA自己改革は、地域密着の総合事業体(医療・福祉はその柱)をめざすもの。
  • (2)厚生連医療・農協福祉の存在意義として、「公共性」と「共益性」(協同組合性格)の同時アピールが必要。
  • (3)組合員の共通の願いである医療・介護・健康管理を、正組合員と准組合員の相互理解のための重要な事業分野として位置付けるべき。
  • (4)厚生連医療・農協福祉への組合員の「参画」が、これからの公共の基盤となり、経営確立にも。
  • (5)農協福祉事業の医療との連携、広域の統合的運営体制の構築に早く着手すべき。
  • (6)「地域からの」病院機能分化・再編と地域包括ケア確立に、厚生連がイニシアチブを発揮し医師確保と収支改善へ。
  • (7)「安心の地域づくり」(見守り・相談)の拠点としての農協支所、センター等の施設・事業所、移動・訪問業務の重要性の再確認。

医療・福祉は住民のもの
組合員・住民の参画を基盤に

前述した「地域からの」病院再編・医療介護のネットワークづくりは、個別病院の利害ではなく、地域医療のあるべき姿、真に住民のための「大義」を掲げて取り組むものとなります。厚生連病院は、公的病院・中核病院としての急性期医療への重点化や適切なケアミックスの選択等といったポジショニングの明確化が問われてきます。退院後の受け皿となる介護施設の確保や他の医療機関との連携、再編に合わせた行政の財務支援の獲得も絶対的に必要となります。

加えて、住民・患者の合意形成と受診行動の変容の取組みが、厚生連病院としてマストな課題となると思われます。患者として、機能に応じた適正な医療機関の「使い方」 「かかり方」を理解し受診行動を変えていく住民合意の形成(学び合い)のことです。「地域からの」再編・ネットワークづくり(=安心して暮らせる地域づくり)を厚生連病院がデザインすること、それを農協といっしょになって組合員・住民に提案すること、さらに声を聴き施設・サービスを改善していくことが求められます。こうした中で経営改善が達成されていくに違いありません。

言うまでもなく、「医療・福祉は住民のもの」です。少子高齢化の中で医療福祉サービスの継続・充実のためには住民の理解・協力が必須であり、住民の協同・自治の強化がいわば必然化していく。組合員・住民参画を基盤とする厚生連医療・農協福祉をもっと広げることが、地域づくりを厚くする土台となっていくのではないでしょうか。

アフターコロナの協同組合の価値具現化する厚生連医療・農協福祉

アフターコロナの社会の変化は、「都市集中から地方分散へ」「食と農と環境を守る社会へ」「格差や貧困をなくす社会へ」の方向が基本となっていくでしょう。こうした中で、協同組合の価値を具現化する厚生連医療・農協福祉の存在価値に確信を持って、会員の皆さんとともに進んでいきたいと思います。

役職員一丸となってさらなる会員貢献に取り組んでまいりますので、引き続きのご協力をなにとぞよろしくお願いし申し上げます。

2022年4月
日本文化厚生農業協同組合連合会
代表理事理事長 東 公敏