会員ニュース

湯沢市・雄勝郡における糖尿病重症化予防プログラムの現状と対策

秋田県厚生連 雄勝中央病院

当院は湯沢・雄勝地域の二次医療を担っており、保存期腎疾患から透析まで一貫した腎疾患管理を行うため、2021年4月に腎センターを立ち上げました。

現在、透析の原因疾患の1位は糖尿病性腎症(DKD)です。また、内科で突然の眼底出血やDKDの放置からの失明や腎不全、透析に至る残念な糖尿病症例を経験し、糖尿病対策も真剣に取り組みたいと考えました。糖尿病重症化予防が喫緊の課題でしたが、コロナ禍の3年余り、当地域での糖尿病重症化予防プログラムの具体的な進展がありませんでした。

コロナも収束しつつある2023年4月に、当院の保健福祉活動室、地域医療連携室、糖尿病療養サポートチームが連携し、湯沢市雄勝郡医師会、湯沢市、羽後町、東成瀬村、湯沢保健所の担当者が一堂に会し、糖尿病重症化予防プログラム推進協議会を開催しました。各々の立場から現状報告し、今後の活動計画を確認し合い、その後、3か月に1回程度、継続して現状の活動などの情報交換を行っています。

院内では、2022年10月から糖尿病食の体験、管理栄養士からの食事指導、1日の血糖の推移、眼科・歯科診察、フットケア、糖尿病の解説などを組み入れた、5日間の糖尿病教育入院を始めています。2024年1月まで36名の入院があり、ほぼ全例で糖尿病が改善傾向となっています。

これらの活動により、患者さんの生活習慣改善(食生活、軽い運動習慣、減酒、口腔衛生等)に繋げ、今後の検査値(血圧、HbA1c、eGFR、尿蛋白等)の推移を把握します。さらに中長期的には、糖尿病の重症化リスクを低下させ透析導入を回避し、また、糖尿病による心血管疾患の減少を目指していきたいと考えています。

糖尿病重症化予防プログラム推進協議会(雄勝中央病院 小松田院長)

(秋田県厚生連 総務人事部 総務広報課 淡路 明美)