会議・研修

患者・スタッフに優しいAIホスピタルの実現

第77回会員厚生連常勤役員・参事会議を開催

本会は11月1日、横須賀市内において第77回会員厚生連常勤役員・参事会議を開催し、12厚生連から13人が参加しました。

本会からは、共同購入事業の推進状況や、情報教育事業の推進状況等について、東代表理事理事長より報告を行い、協議を行いました。

特別講演では、国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院病院長の長堀薫先生から、「患者・スタッフに優しいAIホスピタルの実現と地域医療構想の実現」と題して、横須賀共済病院での経営の立て直しや機能分化と病院連携、外来や病棟でのAIの活用事例などについて、お話を伺いました。

長堀先生は、病院経営の立て直しについて、まず救急搬送患者の応需率を98-99%へと向上させたことが、近隣医療機関や地域住民からの信頼につながったと説明されました。続いて地域医療構想の実現に向けた病院機能の分化では、主な患者を急性期医療を必要とする三浦半島の全市民に定めて、慢性期の分院を閉鎖し、ICUを拡充することで高度急性期に医療資源を集中させたと紹介されました。また、診療の質を支える経営の5本柱として、人材育成、インフラ、財務、サービス、成長を定め、病院職員の研修を充実させていることを話されました。

AIホスピタルの実現については、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」事業の公募に病院が採択されたことを紹介。電子カルテへの音声入力や、構造化した電子カルテ情報の共有、持参薬識別の自動化、タブレットを用いた入院前インフォームドコンセントなど、病棟、外来、手術、救急など、多様な場面で患者とスタッフ双方にやさしいAIホスピタルの実現につなげていると解説されました。

また、会議に先立って参加者は、横須賀共済病院を視察。院内で職員が実際に音声入力や持参薬鑑別などでAIを活用している様子を見学しました。